サイエンスとアートの旅:後編
一週間ぶりですね、GFPです。メリークリスマス。
先週に引き続き、先日の旅の話をさせてください。
先週紹介したのは日本科学未来館でしたが、
今日は第二の目的地、森美術館で開催されている「未来と芸術展」です。
「理学部がなぜ美術館?」
という声が出てきそうなので、まずは、科学と芸術について語りたいです。
科学と芸術って、実は似てる部分が多いと思うのです。
ただ、ここでの芸術は美術だけではなく全体的、もしくは現代的な「芸術」を指します。
どこが似てるかというと、
「概念」や「常識」を問うている点です。
新しい概念・常識を生み出すのは、デザインや工学(テクノロジー)でなく、サイエンスやアートだと考えます。
一見、水と油のように見えるこの二つは、未来を望むうえで共通項を持つと考えます。
特に、今回の「未来と芸術展」では、サイエンスやテクノロジーを使って、未来の人々がどう生きるかを考える。そんな展示が多かったです。
私は、生命科学が特に好きなので、それにちなんだ展示を少し紹介したいです。
この展示は、微生物の遺伝情報をもとに楽曲を作成し、それを遺伝子組み換え微生物のDNAの塩基配列に保存するという「人類滅亡後の音楽」をコンセプトに作られた作品です。
未来の音楽と生命とのかかわり方を考えさせられます。
作家は「いつか人類が本当に滅亡した後、」新たな知的生命体が現れ、創造を超えた方法で本作を読み解くかもしれない」と述べており、これを聞いたときわくわくが止まりませんでした。
この展示は、脳神経細胞を用いたシンセサイザーで、iPS細胞から作られた細胞でできた神経回路網がシャーレの中で育成され、人間の演奏が、この神経回路に電気刺激を与え、その神経活動がシンセサイザーへの電気信号となり、音楽を作る、という仕組みになっています。
聞くだけでわくわくしませんか?
楽器が自分で考え、自分で演奏する時代が想像できます。
稚拙な文章になってしまいますが、これらが、
サイエンスとアートの交点に存在すると思うのです。
少し未来を”考えに”、森美術館の「未来と芸術展」に足を運んでみてはいかがでしょうか?