パスプロ研究室-Laboratory of PASS-project-(仮)

名市大総合生命理学部の日常がここにある。

パスプロ研究室-Laboratory of PASS-project-

ハッピーイースター!!🌸~卵を科学する~

みなさんこんにちは!パスカルです!

 

さてさて、昨日4月12日はイースターでしたね!🥚

 

イースターというのは、イエス・キリストの復活を祝うお祭りです。

イエス・キリストが十字架にかけられて処刑されたことはよく知られていますが、実は処刑後キリストは復活していると言われています。

その復活をお祝いするのが、「イースター」というイベントなんです!

 

ちなみにキリストが復活したのが日曜日だったということで、春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」に祝われるそうですよ。

 

イースターについてはこれぐらいにして、今回はイースターに欠かせない!科学していきます(^^♪

 

 

卵の構造

まずは卵の構造から見ていきますね。

f:id:ncu-passproject:20200413121618p:plain

卵の構造

卵殻(カラ)、卵殻膜(カラの内側にある薄皮)、卵白(白身)、卵黄(黄身)からなります。

 

卵殻をよ~くみたことがある人は気づいたことがあるかもしれませんが、卵殻には小さな穴がたくさん開いています。

この穴を気孔と呼びます。

 

この気孔で、「胚」(ひよこになる部分)の呼吸に必要な酸素を取り入れ、内部で発生した炭酸ガスを排泄するガス交換を行っているんです。

 

調べていて一番びっくりしたのは、カラザの働き!

カラザは、卵を割った時に卵黄についてくる、あの白いひも状のものです。

 

カラザは、卵黄を卵の中心に固定する役目をしているんです!

卵の尖った方では、カラザは2本が左向きにねじれており、卵の丸い方では一本が右向きにねじれています。

このねじれにより、卵を動かしても、卵黄の表面にある胚が常に上を向くように卵黄自体が回転するんです。

まるでハンモックみたいですね😊

 

卵の性質

卵にはたくさんの性質がありますが、今回は三大特性についてみていきます。

  • 乳化性
  • 熱凝固性
  • 起泡性

乳化性

乳化とは、水や油などのお互い混ざり合わない2つの液体の一方を微粒子化させ、他方に分散させることをいいます。

代表的なのはマヨネーズですね。

 

これは卵黄にある性質です。

 

卵黄のタンパク質にはレシチンという成分が含まれています。

レシチンは界面活性剤のように親水性の部分と疎水性(親油性)の部分を持っています。

そのため、レシチンを持つ卵黄をしっかり混ぜると、油の中では水を囲んで水滴にし(油中水滴型)、水の中では油を囲んで油滴にします(水中油滴型)

f:id:ncu-passproject:20200413173035p:plain

 つまり、マヨネーズは水中油滴型、バターは油中水滴型になります。

 

熱凝固性

これは卵白と卵黄のどちらにもある性質です。

 

どういう性質化は名前で分かりますよね。加熱したら固まる性質です。

 

これがなぜかというのは、理系のみなさんなら分かりますよね?

 

そう!タンパク質の変性です!

 

ただし!卵は白身と黄身で凝固する温度が異なります。

これが料理の難しいところですよね…💦

 

卵白に含まれるたんぱく質は、その種類によって固まる温度に大きな差があります。

オボトランスフェリンは60~65℃で固まるのに対して、オボアルブミンは75~78℃で固まります。

 

黄身は65~70℃で固まります。

 

ということで、65~70℃で保持することによって、オボトランスフェリンが凝固し卵白はゲル状になり、黄身は凝固するため、温泉卵ができるわけです!

 

起泡性

これは卵白にある性質です。

メレンゲって知ってますよね?あれです。

 

さてなぜ泡立てるとふわふわしつつしっかりした状態になるのでしょうか?

 

これは、卵白の中に「表面張力を弱めるタンパク質」「空気に触れると膜状になるタンパク質」が含まれているからなんです!

 

水は泡立ててもすぐ泡が消えちゃいますよね。これは、表面張力が強いため、気泡を取り込まないためです。

反対に、表面張力を弱めるタンパク質を持つ卵白は、たくさんの気泡を取り込むことができるため、よく泡立つのです!

 

しかし!よく泡立ったとしても、それが維持されなきゃ意味ないですよね。

この役割を担うのが、空気に触れると膜状になるタンパク質です!

 

泡立てて多くの面を空気と触れさせることにより、膜で包まれた泡が増えていき、最終的にはふわふわでしっかりした泡ができるんです!

 

ひよこが孵る卵と孵らない卵

みなさん一度考えたことがありませんか?

 

「スーパーの卵って温めたらひよこが出てくるんじゃない?!」

私も小さい頃はそう思ってました(笑)

 

しかし、スーパーの卵とひよこが孵る卵って決定的に違うんです!

 

ひよこが孵らないスーパーに並んでいる卵は「無精卵」

ひよこが孵る卵は「有精卵」

 

なんです!

 

有精卵とは

 有精卵とは、鶏が交尾して生まれる卵です。

 

メス鶏の卵(らん)が受精卵になり、それがたまごとして産まれたものを言います。

ひよこの元である「胚盤」がはっきりと形成されており、この杯盤がひよこになるのです。

ひよこになるのは黄身ではありませんよ!!

 

無精卵とは

無精卵とは、交尾をしていない鶏が日課的に産む卵のことです。

 

無精卵では杯盤がきちんと形成されず、受精卵ではないため杯盤がひよこになることはありません。

 

ということで、スーパーにならんでいる卵をどれだけ温めてもひよこは孵らないんですね。

 

まとめ

今回は卵について見てきました!

 

調べていると意外と奥が深い「卵」。

毎日のように食べているものにこんなにおもしろいことが詰まっていたとは驚きでした!

 

では今回はここまで!!